共鳴するように上がる熱
結婚しようと言って、中也は大泣きした。もはや人間の言語をしゃべらなくなって堪らなくなって泣いたような誰か尊い人を亡くしたようなそんな泣き方だった。だけど聞こえたのはそんな苦しい言葉ではなく「ありがとう」の一言だった。 意外な言葉に俺は思わず間抜けな顔を晒した。中也が俺に礼を言うのは正直仕事以外では初めて聞いたからだ。 中原中也と#名前1##名前2#とにはマフィアでのキャリアの差がある。その差は#名前2#がいかにマフィアにとって重要たる人物にならないかということにもなる。#名前2#の潜入先はいつも普通のマフィア構成員では行かされないような過激なところだ。#名前2#は笑って帰ってきているが彼はいつ向こうに捕まってもおかしくないし、ポートマフィアから切り捨てられてもおかしくない。中也が#名前2#に任務のことを聞くのは自分が助けに行けるように調整しておかなければならないからだ。だが、そんなこと#名前2#は知らない。彼はいつの間にか任務へと出掛けていた。 任務中の#名前2#は武器商人であるレディ・エァンシーと腕を組んで食事をしていた。あまり高級なものは好きではないから、と大衆的な個人レストランへ行きスパゲティを食べだしたのには驚いたがレディは気にした風もなく「貴方はそういったのがお好み?」と言う。何重にもされた若作りの下に#名前2#への下心が見えていて腹が立つが#名前2#は爽やかに「そうですね」と笑う。 「昔、作ってもらったミートソーススパゲティが衝撃的だったんです。あれほどまでに美味しいものは食べたことがありません」 そこで店を出てきた。店内ではレディと#名前2#と数名の護衛が談笑してスパゲティを食べている。#名前2#はミートソースではなくカルボナーラを食べていた。つまり、それは、そうゆうことなのだろう。 スパゲティの茹で方さえも中也は知らなくて恥を忍んで紅葉に聞いた。彼女は笑いながら教えてくれた。#名前2#のため?と聞かれて慌てて否定する。#名前2#のためなんかに作ってやるものか、と思っていた。帰ってきてすぐに謝ればひと口ぐらいはやっても構わないだろう。そんなことを思っていたが。 帰ってきた#名前2#は精子くさく、何度ヤったのかも分からない。香水も臭ったし、それに服がいつものではなくなぜか高級なそれらに変わっていた。エァンシーに変えられたのだ。腸が煮えくり返るような思いで#名前2#のことを追い出した。そして後悔した。#名前2#がこのままどこかに行くとしてどこへ行くのか自分にはまるで見当がつかないことに気付いた。 #名前2#は側にいることが当たり前になっていて、愛されることをただ甘受していただけなのだ、と。その証拠に中也は#名前2#のことを何も知らない。友人関係も、#名前2#の好きな食べ物も、誕生日も、なぜマフィアに入ったのかも。 中也は泣きながらごめんなさい、とも言う。どうかしたのか?と聞くと今までの態度が悪くてごめんということだった。#名前2#に愛されてばっかりでごめんと言うがそれは俺が言うべき言葉だろう。まさか俺の任務がそんなに重いものとは知らなかった。 泣きっ面でぐじゅぐじゅと眦を赤くさせてえづく中也に「指輪はまた今度だな」と言うと「なら誓いのキスをしろ」と返された。中也からキスの催促も初めてのことだ。中也も恥ずかしかったのか「するのかしねーのか、ハッキリしろ!」と叫ばれた。 とりあえずは 「顔、キレイにしないとな」 風呂に入るのにまさかタオルで隠すなんて無粋な真似をしないことがよかったのか悪かったのか。ちゃぱちゃぱと水音をたてながら尻たぶを揉みしだくと中也はひんひん泣き出してしまった。涙のタンクはまだ空になってないらしい。 「ふっ、あっ、んっー! やぁ、やら、やらって、」 「えー、気持ちいいでしょー?」 菊門のフチをこすりながらボディソープを中也の胸に塗ってやる。これぞ正しくソープさまー、と言いたかったが言ったら絶対血を見る羽目になるので黙っておく。 ピンと勃った乳首に泡を乗せて、「このまま動いてみない?」と言ったら中也はしたいことを理解してくれたらしく顔を真っ赤にしたまま寄りかかってきた。 にゅるにゅると動く度に乳首の先が潰されるようにこすれる。裸のまま風呂で雪崩込むのは初めてだ。隣の部屋に聞こえるかもしれないという背徳感からか、いつもより快感を感じ取って背中がビクビクはねる。 可愛いねえと呟きながら俺はずちゅずちゅと浅いところだけをこするように指で抽出を繰り返す。 「はぁ、はぁ ぁっ、んっ、後ろっ……! 後ろつくの、やめろッ」 「えー、それだと中也きもちよくなんないよ?」 「ぁ゛あ゛あ゛っっ、」 前立腺に指を押し当てたままぶるりと震えた亀頭を強くしぼった。亀頭だけを弄るのは気持ちいいのに射精が出来ない。ひどい快感が体の中に溜め込まれた上に風呂の熱気で中也の顔は真っ赤だった。ずるりと抜かれた指にァッと喉奥から声を漏らされて正直股間にきた。やめろ、ここで続けたら中也ぶっ倒れて俺はまた外に放り出される。 「中也、ちゅーや。聞こえてる?」 「………はぁ、んだよ……」 「お風呂でてベッドいこ? いいだろ? ダメ?」 もうこれでダメなんて言われた暁には恐らく中也を抱くのなんて出来なくなるほどにショックを受けるだろうなあと予想はついていたが、中也は渋い顔のまま「分かった」と頷いた。 「いいの? 大丈夫? お水飲む?」 「っせえなあ! いいって言ったんだから、連れてけよ!!」 結婚するんだろ!!? ずしり、と体が沈んだ。異能使われたんだなーと思った横で、俺のお嫁さんになるって決めてるのかと思ってすごく幸せな気持ちになった。あのペンギンたちも同じ気持ちだったんだろうか。