贅沢な悩みよね

!ちょっと時間が経ってます。 !途中からハート注意。 「ゔぅ、あっ、ああ…… あっ、ぁん、んっ…」 兄の自慰を見たおれは………悲しい話だが勃ってしまった。アナルをぐちゅぐちゅと細い指がまぜられて、どれだけしたのか分からないが、窄まりはくっぷりと肉を見せている。何色と言うんだったか、ピンク色がふわふわと見えている。ああ、すごく美味しそうだ。食べてしまいたい。だけど、あれはおれのものではないから。バーボンのものだから。おれは、兄さんの弟だから。 泣きたくなってすごすごと自室へ帰るおれのことを兄さんが気付いていたことにおれの方は全く気付いてなかった。 眠れない。兄のあられもない姿が頭をよぎる。おれではない誰かのために変えられた姿。バーボンはあのトロけた中に突っ込んでいたのかと思うと、自分で考えたことなのに早く消えるように頭を掻きむしってしまう。だめだ。寝られない。ココアでも飲もう。 キッチンに行ってココアを飲み干し、コップはシンクの中に水を入れて置いておく。昔からの癖だ。そして、その癖は、兄さんだって知っている。 「#名前2#」 「!?、 あ、兄さん……」 頭の中にまたあの姿が蘇る。だめだ、こんなのは。おれが勝手に好きでいるのはいいけど、浮気相手になるのだけはだめだ。それは、昔の兄さんと約束したことを破ることになる。結婚の約束をしたあの日、同じように約束をした。浮気はしない。おれも、兄さんも。兄さんに浮気をさせるのだけは、避けなければ。 だけど兄さんはニッコリと笑って近付いてくる。バクバクと心臓が高鳴るのに、冷や汗が止まらない。罪悪感が胸を締め付ける。兄さんは、おれのことを好きじゃないのに。おれは、この人を勝手に助けて、家に閉じ込めて出られなくして、それで自慰の姿も見てしまった。ああ、こんなの。こんなのはしてはならないことなのに。なのに、兄さんが好きだと心が叫ぶ。どうしようもなく、好きなのだ。 「#名前2#、お前は昔から寝られない時はココアを飲んでいたな」 「そ、うだね」 口がカラカラだ。懐かしい昔話。忘れ去られたはずのおれの話。おれは、この人にとって忘れたい話で、そう、おれは、この人にとっていらないのに、記憶が戻ったなんてまた優しさに漬け込むのだ。 「一緒に寝ようか、今日は」 神様、おれは地獄へ連れていってくれて構わないから。だから兄さんだけは地獄以外の素敵な場所に連れていってくれ。天国だが楽園だか天竺だか分からないけど地獄以外のところへ。だってこの人はこんなにも優しいのだ。おれのことを、嫌わないでいてくれるのだ。 隣ですやすやと眠る兄さんはキレイな顔をしている。キス、したい。ツヤツヤの唇だ。手をかざして呼気を確認すると、すーすーと感じられる。寝てる、だろうか。スナイパーとして動いてたのでどうなのか分からない。寝ていると信じて指をふれる。ふにふにとしていた。好きです、と小さく呟いてキスをした。暖かくて涙がこぼれる。このまま、時が止まればいいのに。 そっと離して布団に潜り込む。いまこの瞬間なら死んでも構わない。 「#名前2#、すまない」 兄さんの声が聞こえたと思ったら、そのまま口を塞がれていた。何が起きているのか分からなかったけど、何かが喉をずゅるりと落ちたのが分かった。涎も一緒に落ちていく。兄さん、と呼んだおれはまるで悲しそうな顔だった。なんでそんな顔してんだ、兄さんとキスしたのに、なんで、喜べないんだ。 俺は#名前2#が思うような聖人じゃない。#名前2#とセックスしたいと体が疼くのはここ最近の話でもない。#名前2#に奥まで突っ込まれてぐちゃぐちゃに掻き回されたいと何度思ったことか。これは、賭けだ。#名前2#に愛されて一生が負えられるかの、賭けだ。熱に浮かされて身じろぐ#名前2#の耳に2つの選択肢を囁く。彼を待つのは幸福か絶望か。はたまた、どちらでも無い虚無だろうか。 「んっ、ひっ、ああっ…♡ やら、そこ、ちゅかれるの、んムッ♡」 「兄さんっ…、好きッ、もう、離した、くないっ…」 「んっ♡ おれも、らから、はっ、あぁっ、」 「嬉しい……」 媚薬を飲まされたと思ったら兄さんとセックスをしていた。#名前2#とこうしたかった、と肌を擦り合わされて本当に死んだのかと思った。夢じゃないかとも疑ったけど、兄さんはニコニコ笑っておれの指を後孔に突っ込ませた。熱くて、うねって、まるで女と違う。兄さんの手に導かれてかき分けるように進んだところで、感触の違う一点を見つけた。男が気持ちよくなるという前立腺。初めて触った、のは当たり前だがその触れ合いに兄さんは「ひゃあっん♡」と声を漏らした。自慰をしていた時とは比べ物にならないくらいに甘い声でおれの体全てに血液が早送りされる。ドクドクと、骨が溶けそうなほど暑い。 「にい、さん?」 「#名前2#に、んっ、触ってほしかったんだ♡ 愛してると言ったろ♡」 ちゅぽんと抜けた指はローションでぬるぬるになっている。ここまでしてくれたのかと言う感動と、兄さんが自分と同等ぐらいに俗物の性格を持ち合わせていると知って頭はパンクしそうだった。ただ、トロけたそこに入れていいと言われておれは本能を抑えきることが出来なかった。初めて入れた瞬間はただ熱くて、射精しないようにするだけで精一杯だ。前立腺とか、直腸とか前に聞きかじったような知識はあるのにそんなこと忘れるほどにただ気持ちよくて動けなくなった。だけどそんなこと言ってられないと分かっている。兄さんは笑っているがその瞳は欲に塗れておれを見ていた。そうか、おれを、見ているのか。 それがわかった途端にナカでまた大きくなって、兄さんは「んごっぁ♡」と呻く。可愛い、と涎のこぼれた唇にキスしながらゆっくりと動く。ごりゅごりゅと奥壁に押し込まれて、子種がぶつけられる。ビュルビュルと響く音が兄さんの胸に押し当てた耳から聞こえた。 「ぁん♡ #名前2#の、せーしきた♡ お嫁しゃんなった♡ うれしい♡」 「お嫁さん………」 兄さんは、あの約束を覚えていたのか。指輪もないのに、結婚式もあげてないのに、こんなのが初夜でいいのだろうか? …………兄さんが幸せそうならまあいいか。後であげても構わないだろう。結婚すると決めたのだから。 じゅぽじゅぽと泡立つ精液に苦笑いでナカから抜き出すと、兄さんは「もう止めるのか?」と聞いてきた。ちがうよと首を振った。そうじゃないんだ。ただ、けじめをつけるんだ。 「……兄さん」 「ん、なんだ?」 「おれ、兄さんが好きだ。もう、外に出してやれないけどおれと結婚してください」 「…俺で、いいのか? 俺はもう、死んだ男だぞ?」 「おれも死んでるから似たようなもんだよ」 兄さんはふふっと笑って「よろしくお願いします」と言う。ああ、可愛い。まだシてもいい?というお伺いに兄さんは勿論と返す。神様、兄さんと結婚できた今は、おれはまだ死にたくないと思うよ。